世の中にはたくさんの会社があって
月200時間の残業当たり前のブラック企業も存在します。
ただ単に仕事量が異常に多いだけなのか、
実は残業代目当てでゆっくり仕事をしているのか
もしくは部内の雰囲気で一人だけ定時に帰ると圧がかかるのか。
人によって残業する理由はなんとも言えないけど
なんのために「定時」があるのか。
残業が当たり前だと疑うことなく思ってしまうことが
そもそもおかしいんじゃないかな?って思える本を見つけました。
わたし、定時で帰ります。が面白かった!ざっくりとしたあらすじ
今回の一冊は
「わたし、定時で帰ります。」
矢野 帰子さん 著
電子書籍サイトhontoで
太っ腹にも500円引きしてくれるというクーポンが出てたので
画面に表示された本の試し読みを片っぱしから読んでって
なんとなく本作を買ったけど、
おもしろかった・・・!
読み終わってすぐ、
続編「わたし、定時に帰ります~ハイパー~」も買っちゃったくらい。
ざっくりとしたあらすじは
行きつけの中華料理店の
ビールが半額になるハッピーアワーに間に合うために
IT系会社に勤める絶対残業しない東山結衣と
サイボーグ仕事人すぎて
結衣と破談になった元カレ、体育会系の同僚・種田晃太郎が
理不尽かつ、自分のことしか考えてないアホ上司を無効化するお話。
この中途採用で入ってきた、アホ上司・福永がほんと困った人で
個性的なメンバーがそろった結衣のチームのなかでもダントツに性格悪い。
・プラスが出ないような見積もりで、納期が急すぎる案件とってきて仕事したつもり
・部下にむちゃくちゃな無理をしいて、自分は頭を冷やすとかいって1人帰る
・下請けにとんでもない要求をだして、病院送りにするけど
仕事が完遂してないからと言って給料を払わない。
結衣の会社ネットヒーローズの気弱社長・灰原が
「残業をしない会社を作りたい」って言ってるだけあって
わりとクリーンな社風なのにも関わらず、
駄々っ子のような福永の無能っぷりはすごいです。
そして福永こそ、結衣の元カレ・種田の元上司で
(前の会社でも上司と部下という関係でした)
結衣と種田の破局の原因ともなるむちゃくちゃな労働を強いた人でした。
種田との破局してから、結衣には諏訪巧という彼氏ができて
結婚の話がすすんでいるのに、これまた上司・福永のせいでうまく進まないんです。
元カレ種田晃太郎の仕事っぷりがすごい
結衣を定時に帰らせるためには
種田が残業をしなくてはならない。
種田に残業させるつもりなんて全くないし
してくれなくていいと思ってるけど
結衣との仕事人間の種田には仕事にたいする相容れない考え方があります。
なんでこんなにたくさん残業してるのに仕事はおわらないのか。
日本人のサービス精神と
すき間を見つけてどこからでも商売を始める発想と
残業する=働き者っていう考え方が
ダメな感じでからまりあっちゃうとこうなっちゃうのかな。
そして
元カレ・種田晃太郎は甲子園ベスト4まで行った元投手なんですが
なんなんでしょう。
体育会系のたたき上げってみんなこんなに精神が強いんでしょうか。
やはり1つ所を極めた人はふつうの一般市民とは心構えからして違うのでしょうか。
もう、かっこよすぎ。
頼れる上司!!でも同時に心配
全速力で過労死に向かって突っ走ってる感もすごい。
わたしの頭の中では種田晃太郎さんのビジュアルは
ダイヤのAに出てくる青道高校元キャプテン・結城哲也で脳内再生されてました。
ドラマでは向井理さんが演じられたそうで、
向井君か~カッコいいけどちょっと細いな~とおもっちゃいましたが
評判が良かったそうなのでぜひ向井くんバージョンも見てみたいと思います!
まぁ結城哲也バージョンはないんですけど笑
空気は吸って吐くものだし、長い物巻くならマフラーだけでいい
人のために作った制度のはずなのに
制度に人が振り回される。
みんなおかしいと思ってるのに、口に出してしまうとはじかれる。
空気を読め、長いものには巻かれろ。
まさに今、わたしが働いているところもそんな感じ。
会社や働く人の環境を良くしようと上層部が色々な制度を作るんですが
その制度を守るのに必死になっちゃって通常業務ができない。
改善・改善っていうけど工程をいくら増やしても
守らない人がいる限り時間ばっかりかかるだけでなんの効果もないと思うんですが。
規則を守らない人って、そもそも人の話聞いてないし
守る意味わかんないとか平気で言うひと多い。
それだったら守らない人を狙い撃ちして話し合いしないと。
なんとか間に合わせよう、埋め合わせをしようと
がんばりすぎた真面目な人は体をこわして会社を去っていき
作中に出てくる結衣の会社の創業時メンバーの石黒がいう、
「非効率が服着て歩いているみたいな輩」しか残らないので
結局なにも変わらないどころか悪化し続けるという悪循環。
特に最近非効率だなーと思ったことが。
となりに座ってる人に急ぎの仕事をわざわざメールで送って
メールを送られた人がメールに気がつかず定時にあがったんです。
「急ぎだってメールしたのに!!」って
すごい怒りながら依頼した仕事を自分でしてる人がいました。
「忙しいとこごめん5分だけいいかな?、これなんだけど」って
直接話しかけて、送ったメールに添付した資料みてもらえばすぐ終わる話なのに。
階がちがうとかじゃなくて、となりのデスクの人だよ。
一日にどんだけメール来ると思ってるんだろ。埋もれさすくらいなら話しかけたらいいのに。
自分で判断つかないから、
いつも似たようなことを処理してる同僚に聞かなきゃならなかったのに
自分でやろうとしたら余計な時間かかるよね。
それなのに
「あれっ○○さん今日残業なの?」
「そうなんです△△さん仕事置いて帰っちゃって!!」
「△△さんってそういうとこあるよねー」
「そうなんですよ、こないだもね うんたらかんたら」
「えー■■さんもこないださー うんたらかんたら」
・・・しゃべってる間にやれば終わるんじゃないでしょうか?
さらに時間かかってますよー。
電話かけて確認しなくちゃいけない取引先の電話受付時間すぎますよー。
って思ったけど
以前軽くお伝えしたら
「わたしにはわたしのやり方があるんで」ってキレ気味にいわれたのでほっておきました。
わたしはわたしが今勤めている会社に
結衣のような優しさも、そこまでの熱い想いも持てないです。
でも良くなったらいいのにな、なんでもっと話合わないんだろうては思います。
会議はいっぱいやってる。
ミスした人のつるし上げと、それぞれ報告だけの時間の無駄な会議。
「会議」じゃなくて「話し合い」をしたらだいぶ変わるんじゃないかとおもうのですが。
もう少し、なんとかできないかと思ってるわたしに
ほんの少し勇気をくれた一冊でした。